合同条件、本当に分かってますか?
合同条件をちゃんと理解しないと解けない問題がつくれたので動画にしました。
問題

△ABC(図)と△DEFがある。
下のア~エの条件のうち、それを
満たせば必ず△ABC≡△DEFと
なるものをすべて選べ。
ア ∠D=60°、∠E=50°、∠F=70°
イ DE=c、EF=a、FD=b
ウ DE=c、∠D=60°、∠E=50°
エ DE=c、EF=a、∠F=70°
解答と解説はここで見てください。
https://www.tiktok.com/@chusukobeya/video/7413279274670607623
【この入試、悪問かも?】令和4年度埼玉県公立高校入試数学
https://www.tiktok.com/@chusukobeya/video/7375833338797378833
入試の出題ミスを指摘するシリーズです。また埼玉です。
条件付き確率をやりたいのにそれが中学範囲外でできなかったのでしょう。本来「○○のとき▲▲になる確率を求めなさい」とするところを「○○の場合のうち▲▲になる確率を求めなさい」として出題しました。
しかし、これは数学的に正しくない表現で意味不明です。「~のうち」で全体の範囲を指定するのは割合で使われる表現で、これを無理矢理確率で使って理解されなかったら読み手が悪いというのは理不尽です。とはいえ、条件付き確率を知っている大人なら作問者の意図を察することもできるかもしれません。ただ相手は中学生です。条件付き確率を知らない人間にとって、作問者が要求している全体の範囲を変更した確率の計算は、何を求めているのか不明なのです。入試本番でその計算結果を解答するのは相当ハードルが高いです。
また、全部書くと「3点A、B、Pを結んでできる図形が三角形になる場合のうち、三角形ABPの面積が4平方cm以上になる確率」という表現なのですが、この「三角形になる場合のうち」という言葉は、確率の全体の範囲を指定している以外の解釈が本当にあり得ないのでしょうか。というのは、三角形ABPができないときに「三角形ABPの面積が」と表現するのは間違っているとする考え方もあって、この「三角形になる場合のうち」という言葉はこの間違いを避けるためのものだとすることも可能だからです。
この問題の正答率は0.7%とかなり低い数字でした。たしかに難しい問題なのですが本当にそれだけが原因なのでしょうか。
モンティホール問題を納得させます
https://www.tiktok.com/@chusukobeya/video/7318302083252243713
有名な確率の問題で、答えが直感と異なるのでパラドックスと表現されることがあります。
2通りの方法で解説をしました。
一つはベイズの定理という定理を使う方法です。聞きなれない定理ですが、確率の大小を比べるだけなら実は初心者にも伝わるような説明は可能なのです。要するに「当たり前のことが起きて確率が変わるわけないじゃん」ということです。
もう一つは、条件付き確率を使って確率を直接計算する方法です。直接計算といっても、うまく確率分布をカード化すれば計算結果をシンプルに示すことができます。
あと、司会者があたりのドアを知らないケースについても触れました。司会者の内面の違いで確率が変わるのが面白いですよね。
それにしても、クイズ番組の司会者という設定はよくできていますね。ごちゃごちゃした但し書きなしで司会者が当たりのドアを開けることはあり得ないと伝えることが簡単にできます。
【この入試、悪問かも?】令和6年度埼玉県公立高校入試数学
https://www.tiktok.com/@chusukobeya/video/7338365036936645890
入試の出題ミスを指摘するシリーズです。「○○のとき▲▲でない理由を説明しなさい」と聞いておいて、○○となるケースが存在しないというふざけた問題です。「仮定が偽の命題は必ず真になる」という性質を使えば解けますが、もちろん中学生相手にこれで解きなさいということではないでしょう。きちんとこの問題に取り組むと頭が混乱します。他の入試問題を見ても埼玉の入試作問者は他所と比べるとレベルが低いと言わざるを得ません。
「QとRのy座標の比が4:3にならないから」のような解答をちゃんと正解にしたんですかね。心配です。
【1%の人が間違える入社試験】三角形の面積
https://www.tiktok.com/@chusukobeya/video/7265083294981573889
いわゆる「マイクロソフトの三角形」です。条件に矛盾があるから30は不正解だそうです。
ただ、「数学の問題としては30と答えても正解なのでは」と思い、それを動画にしました。
とはいえ実は、「入社試験という場を考えれば30を不正解にするのもありかな」とも思っています。
条件の矛盾に気がつく人材が欲しいという考え方は十分正当かもしれません。
【この入試、悪問かも?】令和4年度茨城県公立高校入試数学
https://www.tiktok.com/@chusukobeya/video/7265834666974924033
入試の出題ミスを指摘するシリーズです。簡単にいうと、「面積が等しい三角形は合同といえるか?」という問いに「いえない」と答えられたとき、それを不正解にしていいのかという話です。合同になる場合もあるから「いえない」は不正解だということなのでしょうが、問題の表現にあいまいな部分があるせいで出題者の意図と違う解答も正解になってしまうパターンでしょう。
問いを「正しいか?」にして「正しい」「正しくない」「わからない」の三択にするべきだったと思います。
そもそも正解とされる「わからない」が本当に正解なのか疑問です。「正しいといえるか?」という問いに「わからない」と答えているので、これは「(正しいか)わからない」ではなく「(正しいといえるか)わからない」と解釈するべきです。このような場合、「わからない」の直前には質問文を反復する内容が省略されていると考えるのが普通でしょう。ですから、もし「正しいといえない」とわかるなら、「(正しいといえるか)わからない」は不正解ということになります。
真面目に解くと損をする問題

これは令和5年度の埼玉県の高校入試(学校選択)の数学の問題とその模範解答です。
解く過程を記述させる問題なのですが、その模範解答で、なぜ平面が点Cを通るのかの説明が全くなかったのが気になりました。
模範解答で説明されていない以上、この説明をしなくても減点されないということなのでしょうが、その「なぜ平面が点Cを通るのかは説明しなくてもいい」という判断を、解答者はどうやってすればよかったのでしょうか。
真面目にその理由を説明してしまった解答者は、その手間の分不利になってしまいます。記述問題を出題するなら、何を書くべきで何なら省略できるのか解答者が判断できるようにするべきです。

そして、これは令和5年度の神奈川県の高校入試の数学の問題です。
四角形ABCDは台形なので、AD∥BCかAB∥DCのどちらかなのですが、真面目に解くなら、AB∥DCなら矛盾が発生することを確認してAD∥BCだと判断する必要があります。しかし、図版の見た目からAD∥BCだとすぐ判断した解答者が大勢いたと推測できます。真面目に解いた解答者は矛盾の確認にかかった手間の分不利になります。まあそこまで大きな手間ではないので大した差にはならないのですが、それでも、問題文に「AD∥BC」を入れるだけで解消できるのなら、そのようにするべきだったと思います。

それから、これは令和4年度の茨城県の高校入試の数学の問題で、底面の半径2cm、母線の長さ6cmです。(この問題は他にも指摘したいことがあるのですが今は省略します。)
正解者のほとんどはいきなり下図左のような図をかいて赤い線の長さを考えたと思います。
ですが、ひもが底面を通る可能性を問題中で否定してないので、厳密にいえば、解答者には底面と側面を通る下図右のようなケースも検討する義務があります。実際、OPが2cmでなく5.9cmならこっちの長さを答えるのが正解です。

これらの長さを比較する必要がありますが、実はスマートな方法が分かりませんでした。中学数学の範囲では不可能なのか私が見落としてるだけなのかどちらなんですかね。ただ数値計算で無理やり比較した結果、側面だけを通る方が短かったです。
これも解答者が真面目に解いた場合、大きな負担(あるいは不可能なこと)を強いることになります。現実的にはこのような解答者はほぼ0で実害は無いのでしょうが、作問者がそれに甘えるのはいい姿勢ではないと思います。